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2007年05月20日(日)

『パッチギ!/LOVE&PEACE』を観たよ。

「パッチギ」の意味が「頭突き」だとは知らなかったわ。

『パッチギ!/LOVE&PEACE』
2007年・日本・127分
監督・脚本:井筒和幸
製作・エグゼクティブプロデューサー:李鳳宇
製作:河合洋 キム・ウテク 他
プロデューサー:祷映
脚本:羽原大介
助監督:武正晴
撮影:山本英夫
編集:冨田伸子
音楽:加藤和彦
出演:井坂俊哉 中村ゆり 藤井隆 西島秀彦
   キムラ緑子 今井悠貴 風間杜夫 ラサール石井 他

 1974年―筋ジストロフィーという難病を患っている息子・チャンス(今井悠貴)によい治療をさせるため、父・アンソン(井坂俊哉)たち一家は東京へ引っ越してきた。アンソンの妹のキョンジャ(中村ゆり)は、チャンスの治療費を稼ぐためと新しい世界を見たいがために、芸能界への扉を叩く。「在日朝鮮人」という血に誇りを持つ彼らだが、ときには、それゆえ日本での生きにくさを痛感せずにはいられない問題にもぶつかって……。

パッチギ!』の続編。前作で朝鮮高校の生徒だったアンソンとキョンジャの兄妹が、おとなになって東京へ引っ越して来てからの物語。キャストは一新。アンソンは高岡蒼佑さんから井坂俊哉さんに、キョンジャは沢尻エリカさんから中村ゆりさんに、それぞれ変わっている。

 前作『パッチギ!』のよさが、正直、私には全然わからなかった。ケンカがテーマなのだから当然といえば当然なのだが、乱暴で血みどろで暴力的で、観ていて不快ったらなかったのだ。バッグ・グラウンドに優しさあふれるストーリィがあったことは理解できたけれど、ケンカのシーンから感じた嫌悪感を拭うには至れなかった。また、井筒和幸監督がメディアで見せている態度や発言に、私は好意的になれないことが多い。その印象も手伝って、井筒さんの監督作はどうもすんなり受け入れにくいのである。

 続編の今作『パッチギ!/LOVE&PEACE』も、オープニングは大ゲンカ。大勢の怒声と咆哮と血が飛び散りまくる。「またかよ……」とげんなりした。だが、そのケンカが一段落して、アンソン一家が国鉄職員の佐藤(演じたのは藤井隆さん)と仲良くなっていく辺りから、愛情いっぱいの人間ドラマがメインになったのである。はっきり言って、ベタでクサい内容だ。とても直接的。とてもわかりやすい。しかし、友情と家族愛と人間愛の基本を、次から次へと見せてもらえる。本質的には難解なはずのそういったテーマなのだから、テンポよく単純に見ることができるのは、ある意味ありがたい。

 今作で最も心に重かったのは、「戦争」の描きかたである。日本の特攻隊を扱った映画にキョンジャの出演が決まって、その製作から公開へ向けての一連のエピソードの合い間に、アンソンとキョンジャの父が太平洋戦争時に体験したエピソードが挟まれるのだが、これが凄絶だった。世の中に戦争シーンを含む映画はたくさんあって、やりすぎで刺激的なばかりの映像も目立つけれど、今作『パッチギ!/LOVE&PEACE』が見せた戦争シーンは、爆撃を浴びて死にゆく人々の「表情」で悲惨さと残酷さを際立たせた、ぎりぎりの一線で悪趣味に成り下がっていない映像だった。「この戦争シーン、派手でダイナミックですごーい!!」ではなく、「戦争って嫌だ。差別って嫌だ。あってはならないんだ……」と、思考の段階を飛び越えてダイレクトに胸を打ってくる、そんな映像だったように私は思う。

「『パッチギ!』なのにケンカ・シーンが少ない」という不満の声も多いようで、それは確かと言わざるをえないけれど、サブ・タイトル「LOVE&PEACE」の精神は、存分すぎるくらい真正面から注入してもらえるはず。また、CGやエフェクトにとてもお金がかかっているっぽい。戦争シーンに満ちていたあふれる臨場感は、このためもあるかも。

 そうそう、端役に至るまでキャストが豪華。とはいえ、そのこと自体には、私はなんの価値も見い出せないけれど。

試写日:2007年5月8日(火)@東京厚生年金会館

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↓参考↓
パッチギ! LOVE&PEACE@映画生活
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↓観た作品&関連商品↓
パッチギ!LOVE&PEACE スタンダード・エディション [DVD] パッチギ!LOVE&PEACE プレミアム・エディション [DVD]
「パッチギ!LOVE&PEACE」オリジナルサウンドトラック イムジン河

テーマ : 日本映画 - ジャンル : 映画

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