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2008年12月29日(月)

『中国の植物学者の娘たち』を観たよ。

 もっと感情のひだを描いてほしかった。

『中国の植物学者の娘たち』
"LES FILLES DU BOTANISTE"
"THE CHINESE BOTANIST'S DAUGHTERS"
"植物学家的中国女孩"

2005年・カナダ&フランス・98分
監督・脚本:ダイ・シージエ
製作:リズ・ファヨール
脚本:ナディーヌ・ペロン
撮影:ギイ・デュフォー
音楽:エリック・レヴィ
出演:リー・シャオラン ミレーヌ・ジャンパノイ
   リン・トンフー ワン・ウェイドン 他

 孤児院で育ったミン(ミレーヌ・ジャンパノイ)は、偉大な植物学者・チェン教授(リン・トンフー)の植物園兼住居で、住みこみの実習生として学ぶことになった。チェン教授にはアン(リー・シャオラン)という娘がいて、ミンは彼女と親密になっていく。あるとき、アンの兄で軍人のタン(ワン・ウェイドン)が帰省してきた。チェン教授は、ミンをタンの嫁にすることを思い立って……。

「中国を舞台にしたレズビアンの映画」ということだったので観た。

 神秘的でエキゾティックな植物園や、自然の豊かな屋外で、ミンとアンの情交が美しく描かれる。陶酔と媚薬の効果を狙った草を焚きながら愛を交わしたり、青空の下で水浴びをしたり。官能的というよりは美麗な映像。耽美の映画である。ロケはヴェトナムでおこなわれたという。同性愛を扱った内容だったためか、中国での撮影許可が下りなかったそうだ。

 中国では同性愛がタブー。そのため、ミンとアンの愛には悲劇性がつきまとう。こういった設定やモチーフそのものに興味があって観たのだが、いざ観終えてみると、美しい映像作りに傾倒していてストーリィ性が希薄だったような印象を受けたため、すこぶる残念だった。

 孤児院で育ったミンと、幼くして母親を失ったアンには、「母の愛に飢えている」という共通点がある。また、高圧的で横暴なチェン教授に一緒に耐える境遇も、ふたりの気持ちに火をつけるきっかけのひとつとなったのだろう。

 同族意識から芽生えた友情が愛情に発展する、という展開には共感できて、矛盾はないと思えるのだが、その過程の描きかたがやや駆け足気味で、「気づいてみたら、ミンとアンは体を重ねる関係になっていた」と見えかねない呆気なさを感じた。

「恋に堕ちるのに、理由や余計な描写はいらない」とも言えるかもしれないが、せっかくのバック・グラウンドや感情の機微を、もっと緻密に描いてほしかったと思う。美麗で耽美の映像だけでは、恋愛描写に説得力を与えることはできないのだから。

「ストーリィ的な説得力よりも、映像の美しさを優先した作品」ということなら、これでよいのかもしれないけれど、繊細で狂おしい物語になりうるキャラクターと状況の設定ができていたからこそ、そこをもっと衝いてくれなかったことに、「もったいないなぁ」と感じてしまったのだ。 

観た日:2008年12月22日(月)@自宅にてDVD

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↓参考↓
中国の植物学者の娘たち@映画生活
「中国の植物学者の娘たち」の映画詳細、映画館情報はこちら >>

↓観た作品↓
中国の植物学者の娘たち スペシャル・エディション [DVD]

テーマ : ゲイを扱った映画 - ジャンル : 映画

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mini review 08299「中国の植物学者の娘たち」★★★★★★★★☆☆

『小さな中国のお針子』のダイ・シージエ監督が、中国ではタブーとされる同性愛に挑んだ禁断の愛の物語。互いに孤独な境遇で生きてきた2人の娘が、心を寄せ合い愛を育んでゆく姿を幻想的な映像で紡ぐ。主演は、フランスと中国の血を引くミレーヌ・ジャンパノイと、『かち
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