『ニューヨークの魔法は続く』を読んだよ。

『ニューヨークの魔法は続く』
著:岡田光世
発行:文春文庫
ニューヨークに暮らす著者が、この街での小さな「出会い」について主に語ったコラム集。
「一期一会」の温かさと貴重さを、著者の目を通して体験させてもらえる1冊である。ニューヨークならではの嫌な経験も著者はたくさんしているのだが、それらをすぐに相殺してくれる、ささやかながらも記憶に残る出会いが、この街にはあふれている。
「世界の中心となっている、華やかなマンハッタン」の描写は、ほとんどない。いつも乗る地下鉄やタクシーでの見知らぬ人とのやりとり、ニューヨークの貧困層や厳しい境遇にある子供たちの情景、友人や家族とのエピソード ― ニューヨークに生活する者、ニューヨークでジャーナリストをしている者としての視点で、著者はこの街を静かに綴る。行間からは、ニューヨークを、「他人」を慈しむ思いが、ほんわりと、だが、確実に伝わってくる。
私が住んでいて、愛している街・東京とも、この本の著者のようなスタンスで関わりあうことができればいいな、と羨望を感じつつ思った。
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