2008年10月17日(金)
『ブロードウェイ♪ブロードウェイ/コーラスラインにかける夢』を観たよ。
「オーラ」って、こんなにも、「見えるもの」なんだ。
『ブロードウェイ♪ブロードウェイ/コーラスラインにかける夢』
"EVERY LITTLE STEP"
2008年・アメリカ・93分
監督・製作:ジェームズ・D・スターン アダム・デル・デオ
製作総指揮:ジョン・ブレリオ
編集:フェルナンド・ヴィレナ ブラッド・フラー
音楽:ジェーン・アントニア・コーニッシュ
1975年に初演された伝説のミュージカル『コーラスライン』が、2006年にブロードウェイで再演されることになった。そのオーディションに集まったのは3000人で、最終的に選ばれるのは、たったの19名 ― 8ヶ月間に渡るオーディションの模様を追ったドキュメンタリー。
『コーラスライン』 ― 私は、マイケル・ダグラスが主演した映画版しか知らない(そして、曲だけは耳に残っているけれど、内容は、あまり憶えていない)。ブロードウェイの舞台や、劇団四季の公演は、観たことがない。
初演の演出者で『コーラスライン』の生みの親であるマイケル・ベネット(1987年にエイズで死去。享年44歳)や、『コーラスライン』のメイン・キャラクター、初演時のキャスト(今回の再演でスタッフとして関わっている人もいる)について描写した部分も多い今作なので、『コーラスライン』のバック・グラウンドとストーリィを熟知している人には、興味深いこと必至の作品だと思う。
でも、『コーラスライン』について、ろくな知識を持ち合わせていない私にも、めちゃめちゃ、おもしろい映画だった。
「夢を追い続けて努力する人」や「ダンスを題材にした作品」が、私は大好きだ。そういう意味で、今作は、自分の嗜好ポイントに、思いきり、はまっていたことになる。「ドキュメンタリー=事実」だから、説得力もあるわけで。
2006年の再演キャストとして選ばれる人たちが決まってから編集した映画だろうと思うから、「注目しておくべきエントリー者」たちが、クローズ・アップされる内容になってはいる。だから、「最終的に、誰が合格するのか」は、観ているあいだに、おのずとわかってはくるのだけれど、「こういうものなのか……」と感心してしまったのは、「選ばれし19人のキャスト」となる人たちに、素人目にも一発でわかるオーラが漂っていることだ。
3000人の希望者からスタートしたオーディション。映画の序盤では、画面にダンサーがあふれている。でも、「あれ……? あの人、『輝いてる』な。ほかのダンサーとは、なにかが違うんだよなぁ」と、目を惹かれずにはいられない存在が、確かに見えるのだ。カメラが特にその人物をメインに映していなくても、である。
で、「あの人は、ほかの人たちとは違う」と、なんとなく思っていたダンサーが、確実にばっちりと、このオーディションを勝ち抜いていくのだった。
「これが、『オーラ』っていうものなのかぁ……」と、感心しないではいられなかった。エントリーしてきたダンサーたちのほとんどは、当然のように、ダンスも演技も歌も巧い。しかし、「輝いている人」には、巧いというだけでは説明のつかない吸引力が「目に見える」のである。必ずしも容姿が端麗というわけではなく、また、やたら個性的というわけでもない。……その特徴を言葉で表現するのは、至極、難しいのだ。だからこそ、「オーラ」なのかもしれない。
ドキュメンタリー作品に胸を打たれてしまうと、「事実は小説より奇なり」や、「百聞は一見に如かず」という成句が、脳裏によぎる。小説を書く創作屋としては、「素晴らしい作品に出逢えて嬉しいけれど、やっぱり、『実際の出来事』には、創作は、かなわないのかな……」と、複雑な気分を味わわずにはいられなかった。
それでも、まっすぐに感動できた今作に出逢えたことが、映画ファンとしては、ただただ、純粋に、嬉しい。
『コーラスライン』のファンはもちろん、ダンス映画が好きな人、アメリカのショウビズ界に興味がある人、……「追い求める夢がある人」には、ぜひぜひ、ご覧になってほしい作品である。
夢を叶えたいと願って努力し続けるのは、大変なこと。この映画では、「努力をすれば実を結ぶ、というわけでもないのだ」という現実を思い知らされる。しかし、だからといって、「夢を見るのをあきらめたほうがよいのかもしれない」というネガティヴな結論に走りたくなってしまう作品でもない。
この映画に出てくるダンサーのほとんどは、「今回は、夢を現実にできなかった」という結果に終わった人たちだ。しかし、彼らは、彼女たちは、即座に次への努力を始める。「夢を実現する機会は、一度ではない」と、ストレートに教えてくれるのだ。
もちろん、「夢を叶えた、『オーラ』があるダンサーたち」の姿も、鮮烈なこと、きわまりない。刺激を受けずにはいられない。勉強になるポイントと、パワーを注入できる要素にあふれた、「観させていただけて、本当に、ありがとう」と、お礼を言いたくなるようなドキュメンタリーだった。また、日本人のダンサー・高良結香 ― 彼女が記憶に残り続ける作品でもある。どうして、そうなのか、彼女は誰なのかは、今作を観てのお楽しみ。
今回の試写は、友人のTさんが誘ってくださったので、足を運ぶことができた。自分的本年度ベスト10ムービーに確実に入る作品を観られたことに、心から感謝。Tさん、どうもありがとうございました。
試写日:2008年10月15日(水)@スペースFS汐留
お気が向かれたら →

↓参考↓
ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢@映画生活
「ブロードウェイ♪ブロードウェイコーラスラインにかける夢」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
↓関連商品↓

『シアターガイド/2008年10月号』(セブンアンドワイ)
『ブロードウェイ♪ブロードウェイ/コーラスラインにかける夢』
"EVERY LITTLE STEP"
2008年・アメリカ・93分
監督・製作:ジェームズ・D・スターン アダム・デル・デオ
製作総指揮:ジョン・ブレリオ
編集:フェルナンド・ヴィレナ ブラッド・フラー
音楽:ジェーン・アントニア・コーニッシュ
1975年に初演された伝説のミュージカル『コーラスライン』が、2006年にブロードウェイで再演されることになった。そのオーディションに集まったのは3000人で、最終的に選ばれるのは、たったの19名 ― 8ヶ月間に渡るオーディションの模様を追ったドキュメンタリー。
『コーラスライン』 ― 私は、マイケル・ダグラスが主演した映画版しか知らない(そして、曲だけは耳に残っているけれど、内容は、あまり憶えていない)。ブロードウェイの舞台や、劇団四季の公演は、観たことがない。
初演の演出者で『コーラスライン』の生みの親であるマイケル・ベネット(1987年にエイズで死去。享年44歳)や、『コーラスライン』のメイン・キャラクター、初演時のキャスト(今回の再演でスタッフとして関わっている人もいる)について描写した部分も多い今作なので、『コーラスライン』のバック・グラウンドとストーリィを熟知している人には、興味深いこと必至の作品だと思う。
でも、『コーラスライン』について、ろくな知識を持ち合わせていない私にも、めちゃめちゃ、おもしろい映画だった。
「夢を追い続けて努力する人」や「ダンスを題材にした作品」が、私は大好きだ。そういう意味で、今作は、自分の嗜好ポイントに、思いきり、はまっていたことになる。「ドキュメンタリー=事実」だから、説得力もあるわけで。
2006年の再演キャストとして選ばれる人たちが決まってから編集した映画だろうと思うから、「注目しておくべきエントリー者」たちが、クローズ・アップされる内容になってはいる。だから、「最終的に、誰が合格するのか」は、観ているあいだに、おのずとわかってはくるのだけれど、「こういうものなのか……」と感心してしまったのは、「選ばれし19人のキャスト」となる人たちに、素人目にも一発でわかるオーラが漂っていることだ。
3000人の希望者からスタートしたオーディション。映画の序盤では、画面にダンサーがあふれている。でも、「あれ……? あの人、『輝いてる』な。ほかのダンサーとは、なにかが違うんだよなぁ」と、目を惹かれずにはいられない存在が、確かに見えるのだ。カメラが特にその人物をメインに映していなくても、である。
で、「あの人は、ほかの人たちとは違う」と、なんとなく思っていたダンサーが、確実にばっちりと、このオーディションを勝ち抜いていくのだった。
「これが、『オーラ』っていうものなのかぁ……」と、感心しないではいられなかった。エントリーしてきたダンサーたちのほとんどは、当然のように、ダンスも演技も歌も巧い。しかし、「輝いている人」には、巧いというだけでは説明のつかない吸引力が「目に見える」のである。必ずしも容姿が端麗というわけではなく、また、やたら個性的というわけでもない。……その特徴を言葉で表現するのは、至極、難しいのだ。だからこそ、「オーラ」なのかもしれない。
ドキュメンタリー作品に胸を打たれてしまうと、「事実は小説より奇なり」や、「百聞は一見に如かず」という成句が、脳裏によぎる。小説を書く創作屋としては、「素晴らしい作品に出逢えて嬉しいけれど、やっぱり、『実際の出来事』には、創作は、かなわないのかな……」と、複雑な気分を味わわずにはいられなかった。
それでも、まっすぐに感動できた今作に出逢えたことが、映画ファンとしては、ただただ、純粋に、嬉しい。
『コーラスライン』のファンはもちろん、ダンス映画が好きな人、アメリカのショウビズ界に興味がある人、……「追い求める夢がある人」には、ぜひぜひ、ご覧になってほしい作品である。
夢を叶えたいと願って努力し続けるのは、大変なこと。この映画では、「努力をすれば実を結ぶ、というわけでもないのだ」という現実を思い知らされる。しかし、だからといって、「夢を見るのをあきらめたほうがよいのかもしれない」というネガティヴな結論に走りたくなってしまう作品でもない。
この映画に出てくるダンサーのほとんどは、「今回は、夢を現実にできなかった」という結果に終わった人たちだ。しかし、彼らは、彼女たちは、即座に次への努力を始める。「夢を実現する機会は、一度ではない」と、ストレートに教えてくれるのだ。
もちろん、「夢を叶えた、『オーラ』があるダンサーたち」の姿も、鮮烈なこと、きわまりない。刺激を受けずにはいられない。勉強になるポイントと、パワーを注入できる要素にあふれた、「観させていただけて、本当に、ありがとう」と、お礼を言いたくなるようなドキュメンタリーだった。また、日本人のダンサー・高良結香 ― 彼女が記憶に残り続ける作品でもある。どうして、そうなのか、彼女は誰なのかは、今作を観てのお楽しみ。
今回の試写は、友人のTさんが誘ってくださったので、足を運ぶことができた。自分的本年度ベスト10ムービーに確実に入る作品を観られたことに、心から感謝。Tさん、どうもありがとうございました。
試写日:2008年10月15日(水)@スペースFS汐留
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『シアターガイド/2008年10月号』(セブンアンドワイ)
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ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢’08:米
◆原題:EVERY LITTLE STEP ◆監督: ジェイムズ・D・スターン「アイム・ノット・ゼア」アダム・デル・デオ◆出演: 「コーラスライン」オリジナルキャスト&スタッフ?、?マイケル・ベネット...
2009/01/18(日) 20:12:52 | ☆C\'est joli〜ここちいい毎日を〜☆
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2009/01/15(木) 14:48:57 | 映画、言いたい放題!
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146●ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける橋
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2008/11/20(木) 23:07:23 | レザボアCATs
「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」★★★☆
アダム・デル・デオ 、ジェームズ・D・スターン 監督
ドキュメンタリー、2008年、93分
伝説のミュージカル「コーラスライン」の
16年ぶりの再演。
8ヶ月におよぶ苛酷な
オーディ...
2008/11/11(火) 00:22:06 | soramove
「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」
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ブロードウェイミュージカル「コーラスライン」のオーディションの風景を追...
2008/11/03(月) 12:06:05 | 或る日の出来事
映画「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」(2008年、米)
★★★★★ 16年ぶりに再上演されたBroadwayのミュージカル「A Chorus Line」の オーディション風景を撮ったドキュメンタリー。傑作。 原題は「EVERY LITTLE STEP 」。 ◇ 「A Chorus Line」の再上演が 2006年に行われることになった。 集
2008/10/26(日) 17:56:11 | 富久亭日乗
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