2007年09月22日(土)
『恋とスフレと娘とわたし』を観たよ。
サムい。イタい。ウザい。
『恋とスフレと娘とわたし』
"BECAUSE I SAID SO"
2007年・アメリカ・102分
監督:マイケル・レーマン
製作:ポール・ブルックス
製作・脚本:ジェシー・ネルソン
製作総指揮:マイケル・フリン ノーム・ウェイト 他
脚本:カレン・リー・ホプキンス
撮影:ジュリオ・マカット
編集:ポール・セイダー トロイ・タカキ
音楽:デヴィッド・キティ
出演:ダイアン・キートン マンディ・ムーア ガブリエル・マクト
トム・エヴェレット・スコット ローレン・グレアム パイパー・ペラーボ 他
還暦を目前にしたパティシェのダフネ(ダイアン・キートン)は、女手ひとつで3人の娘を育てあげた。長女のマギー(ローレン・グレアム)と次女のメイ(パイパー・ペラーボ)がめでたく結婚した今、ダフネが心配するのは三女・ミリー(マンディ・ムーア)の行く末のみ。ケータラーとして働いているミリーは、恋愛の要領と男運が悪いのだ。ダフネはミリーに内緒で出会い系サイトに登録し、愛する娘の交際相手を探す。その結果、抜群の条件を備えるジェイソン(トム・エヴェレット・スコット)に、ミリーが出逢うよう仕向けるダフネ。一方、ミリーはミュージシャンのジョニー(ガブリエル・マクト)と意気投合して……。
子離れできていない母親が、娘の恋愛事情に首をつっこんでひたすら世話を焼くコメディ。その母親がダイアン・キートン演じるダフネで、彼女のミリーへのお節介は品性を疑うほど。
私はダイアン・キートンが結構好きだ。最近はいかにも「おばさん」という容姿になった彼女だけれど、その「おばさんっぽさ」を逆手に取って利用した役を巧みに演じていると思う(『恋愛適齢期』や『幸せのポートレート』なんて、その好例)。彼女の監督作『電話で抱きしめて』も興味深く観た。ダイアンというと、知的で芸達者な映画人だなぁ、と心から思う。
だから、ヒステリックで精神年齢が低くてトラブル・メーカーでとにかくウザくてむかつくダフネが、腹立たしいキャラクターであればあるほど、ダイアン・キートンの演技が巧いという証拠なのだ。それは確か。絶対。ただ、「あの格好よくて聡明なダイアンが演じている、ひとつの役でしかないんだ」と意識的に自分を説得し続けていなければ、エンド・ロールまで観ることができなかったかもしれない、というのも正直なところ。私はもう、心底からダフネにむかついてしまって、途中で席を立ちたくてたまらない衝動に何度も襲われたのだ。
「ちょっと行きすぎだけど、可愛いママだよ」とダフネを形容する人もいるだろう。でも、娘の恋愛事情や性生活にまで首をつっ込んでくる親なんて、たとえ罪のない無知ゆえでも、私は願い下げである。仲のよい親子が悪いと言っているわけではない。だが、ダフネのように、女友達に接するがごとく子供に甘えたり、子供の前で涙を流したりする母親というのが、私には理解できない。ついでに言えば、ダフネと娘たちは、母と娘3人の計4人でエステへ行ったり、歌を合唱したりする。そういう母娘関係も、私にはぴんとこない。というか、受け入れがたい。正直、虫唾が走る。
とはいえ、ダフネの人となりと、彼女と娘たちの関係にどんな印象をいだくかは、当然ながら、人それぞれ。私はたまたま嫌悪感しかいだけなかったけれど、この映画が駄作だと言っているわけではない。想像のつきやすいストーリィではあっても、温かみやロマンティックな要素はふんだんにあって、起承転結も明快。中だるみや矛盾はないから、構成的にはストレスを覚えずに観ることができる。ダフネの恋の芽生えとその行く末は、性急な上に安直がすぎるように思えてならなかったけれど。
ダイアン・キートン以外にも、巧い役者さんたちが揃っている。
その筆頭は、ミリーを演じたマンディ・ムーア。決して美人ではないが、誠実そうな愛嬌が印象的な女優さんである。「肉感的なのに知性的」という、ある意味矛盾が光る魅力を備えている人。『アメリカン・ドリームズ』では、計算高い野心家の役を説得力たっぷりに演じていた。
「歯磨き粉のCM」に即座に出演できそうなほど、白い歯をきらめかせて爽やかだったジョニーを演じたのは、ガブリエル・マクト。「格好よい男優さんだなぁ。でも、この人、どっかで見たことあるような……」と、観ているあいだ、ずっと考えていた。帰宅してプロフィールを調べて、どこで見た人なのか思い出した。『ママの遺したラヴソング』で、むさい容姿のキー・パーソンを演じた俳優さんだったんだ。あんなにむさい(しつこくてごめん)役を演じていた彼が、今作では爽快の見本みたいだったんだよなぁ。今更ながらに、役者さんってすごいや。
『コヨーテ・アグリー』や『翼をください』で大好きになった女優さんで、最近は『プレステージ』(2006年)でも美しかったパイパー・ペラーボを見られたのも、とても嬉しかったな。
そう、だから、「気になる役者さん的・目の保養的」には、充分に愉しませてもらえた作品だったんだ。
しかし、「おとなになりきれないママ」であるダフネへの嫌悪感は、どうしても拭えない。どんなにハート・ウォーミングなストーリィであろうとも、ダフネというキャラクターを好きになれない自分には、この作品に好感をいだくことは難しい。
ところで、ダフネという女性は、まるでユニフォームのごとく、「ウェスト・マークの太いベルトに、フレアー・スカート」というファッションをしていた。まるで「夢見る少女」ででもあるかのように。この服装、あの年代の女性がするには、「イタい格好」以外のなにものにも見えなくて、いたたまれない気分になった。ダフネが嫌いで嫌いでたまらないせいで、このファッションそのものすら受け入れられなかっただけなのだろうか。ダイアン・キートンご本人は、年齢を忘れさせるプロポーションをしているのだから、たいていのファッションは問題ないはずなのだし。んー、でもなぁ。ウェスト・マークのベルトはともかく、ロングのフレアー・スカートってのはなぁ。うーん……。
観た日:2007年9月20日(木)@シネスイッチ銀座
お気が向かれたら →

↓参考↓
恋とスフレと娘とわたし@映画生活
「恋とスフレと娘とわたし」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
『恋とスフレと娘とわたし』
"BECAUSE I SAID SO"
2007年・アメリカ・102分
監督:マイケル・レーマン
製作:ポール・ブルックス
製作・脚本:ジェシー・ネルソン
製作総指揮:マイケル・フリン ノーム・ウェイト 他
脚本:カレン・リー・ホプキンス
撮影:ジュリオ・マカット
編集:ポール・セイダー トロイ・タカキ
音楽:デヴィッド・キティ
出演:ダイアン・キートン マンディ・ムーア ガブリエル・マクト
トム・エヴェレット・スコット ローレン・グレアム パイパー・ペラーボ 他
還暦を目前にしたパティシェのダフネ(ダイアン・キートン)は、女手ひとつで3人の娘を育てあげた。長女のマギー(ローレン・グレアム)と次女のメイ(パイパー・ペラーボ)がめでたく結婚した今、ダフネが心配するのは三女・ミリー(マンディ・ムーア)の行く末のみ。ケータラーとして働いているミリーは、恋愛の要領と男運が悪いのだ。ダフネはミリーに内緒で出会い系サイトに登録し、愛する娘の交際相手を探す。その結果、抜群の条件を備えるジェイソン(トム・エヴェレット・スコット)に、ミリーが出逢うよう仕向けるダフネ。一方、ミリーはミュージシャンのジョニー(ガブリエル・マクト)と意気投合して……。
子離れできていない母親が、娘の恋愛事情に首をつっこんでひたすら世話を焼くコメディ。その母親がダイアン・キートン演じるダフネで、彼女のミリーへのお節介は品性を疑うほど。
私はダイアン・キートンが結構好きだ。最近はいかにも「おばさん」という容姿になった彼女だけれど、その「おばさんっぽさ」を逆手に取って利用した役を巧みに演じていると思う(『恋愛適齢期』や『幸せのポートレート』なんて、その好例)。彼女の監督作『電話で抱きしめて』も興味深く観た。ダイアンというと、知的で芸達者な映画人だなぁ、と心から思う。
だから、ヒステリックで精神年齢が低くてトラブル・メーカーでとにかくウザくてむかつくダフネが、腹立たしいキャラクターであればあるほど、ダイアン・キートンの演技が巧いという証拠なのだ。それは確か。絶対。ただ、「あの格好よくて聡明なダイアンが演じている、ひとつの役でしかないんだ」と意識的に自分を説得し続けていなければ、エンド・ロールまで観ることができなかったかもしれない、というのも正直なところ。私はもう、心底からダフネにむかついてしまって、途中で席を立ちたくてたまらない衝動に何度も襲われたのだ。
「ちょっと行きすぎだけど、可愛いママだよ」とダフネを形容する人もいるだろう。でも、娘の恋愛事情や性生活にまで首をつっ込んでくる親なんて、たとえ罪のない無知ゆえでも、私は願い下げである。仲のよい親子が悪いと言っているわけではない。だが、ダフネのように、女友達に接するがごとく子供に甘えたり、子供の前で涙を流したりする母親というのが、私には理解できない。ついでに言えば、ダフネと娘たちは、母と娘3人の計4人でエステへ行ったり、歌を合唱したりする。そういう母娘関係も、私にはぴんとこない。というか、受け入れがたい。正直、虫唾が走る。
とはいえ、ダフネの人となりと、彼女と娘たちの関係にどんな印象をいだくかは、当然ながら、人それぞれ。私はたまたま嫌悪感しかいだけなかったけれど、この映画が駄作だと言っているわけではない。想像のつきやすいストーリィではあっても、温かみやロマンティックな要素はふんだんにあって、起承転結も明快。中だるみや矛盾はないから、構成的にはストレスを覚えずに観ることができる。ダフネの恋の芽生えとその行く末は、性急な上に安直がすぎるように思えてならなかったけれど。
ダイアン・キートン以外にも、巧い役者さんたちが揃っている。
その筆頭は、ミリーを演じたマンディ・ムーア。決して美人ではないが、誠実そうな愛嬌が印象的な女優さんである。「肉感的なのに知性的」という、ある意味矛盾が光る魅力を備えている人。『アメリカン・ドリームズ』では、計算高い野心家の役を説得力たっぷりに演じていた。
「歯磨き粉のCM」に即座に出演できそうなほど、白い歯をきらめかせて爽やかだったジョニーを演じたのは、ガブリエル・マクト。「格好よい男優さんだなぁ。でも、この人、どっかで見たことあるような……」と、観ているあいだ、ずっと考えていた。帰宅してプロフィールを調べて、どこで見た人なのか思い出した。『ママの遺したラヴソング』で、むさい容姿のキー・パーソンを演じた俳優さんだったんだ。あんなにむさい(しつこくてごめん)役を演じていた彼が、今作では爽快の見本みたいだったんだよなぁ。今更ながらに、役者さんってすごいや。
『コヨーテ・アグリー』や『翼をください』で大好きになった女優さんで、最近は『プレステージ』(2006年)でも美しかったパイパー・ペラーボを見られたのも、とても嬉しかったな。
そう、だから、「気になる役者さん的・目の保養的」には、充分に愉しませてもらえた作品だったんだ。
しかし、「おとなになりきれないママ」であるダフネへの嫌悪感は、どうしても拭えない。どんなにハート・ウォーミングなストーリィであろうとも、ダフネというキャラクターを好きになれない自分には、この作品に好感をいだくことは難しい。
ところで、ダフネという女性は、まるでユニフォームのごとく、「ウェスト・マークの太いベルトに、フレアー・スカート」というファッションをしていた。まるで「夢見る少女」ででもあるかのように。この服装、あの年代の女性がするには、「イタい格好」以外のなにものにも見えなくて、いたたまれない気分になった。ダフネが嫌いで嫌いでたまらないせいで、このファッションそのものすら受け入れられなかっただけなのだろうか。ダイアン・キートンご本人は、年齢を忘れさせるプロポーションをしているのだから、たいていのファッションは問題ないはずなのだし。んー、でもなぁ。ウェスト・マークのベルトはともかく、ロングのフレアー・スカートってのはなぁ。うーん……。
観た日:2007年9月20日(木)@シネスイッチ銀座
お気が向かれたら →
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恋とスフレと娘とわたし@映画生活
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気軽に観られそうな作品をという気持ちでチョイスしてみたのが、この作品。
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女手一つで3人の娘を育て上げたおせっかい焼きの母親が、男運に恵まれない末娘の行く末を案じて勝手に花婿候補を探し始めたことから巻き起こる波乱の恋模様を賑やか...
2008/09/09(火) 22:53:45 | cinema!cinema! ミーハー映画・DVDレビュー
こんなお母さんなら最高 ダイアン・キートンママ
?
すっかり忘れていました。9月25日に観た「恋とスフレと娘とわたし」。遅まきながら記事を書きます。(京都シネマにて)
?
2007年の鑑賞作品のなかでも、結構お気に入りの作品です。残念ながら上映期間が短かっ
2007/10/31(水) 17:59:04 | 銅版画制作の日々
「恋とスフレと娘とわたし」★★★
ダイアン・キートン主演
マイケル・レーマン監督、2007年、アメリカ(107分)
二人の娘を嫁がせて
残るはあとひとり、
末娘の行く末が心配でたまらない母親が
ネットで恋人を募集した。
ここから始まるドタバタコメディ...
2007/09/27(木) 22:12:57 | soramove
邦題のタイトルって、言いえて妙!というときと、何ですか?というときがありますよね。さてこの作品は???
2007/09/26(水) 23:08:30 | My Favorite Things
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