ごはんの支度をしながら、気の合う映画を想うのが好き。字書き屋・香ん乃がお贈りする、インフォメーション・シネマ感想文・雑記など。
2006/10/21 17:12 『Sad Movie/サッド・ムービー』を観たよ。
なんてダイレクトなタイトルなんだろうねぇ。そして、邦題もまた、そのまんま……。
『Sad Movie/サッド・ムービー』
原題:"SAD MOVIE"
参考:Sad Movie サッド・ムービー@映画生活 Sad Movie サッド・ムービー-シネマトゥデイ
2005年・韓国・109分
監督:クォン・ジョングァン
製作:パク・ソンフン
脚本:ファン・ソング
編集:キム・サンボム
音楽:ジョ・ドンイク
出演:チョン・ウソン イム・スジョン シン・ミナ イ・ギウ
チャ・テヒョン ヨム・ジョンア ソン・テヨン ヨ・ジング 他
消防士のジム(チョン・ウソン)と彼の恋人のスジョン(イム・スジョン)、遊園地へ絵を描きに行ったサンギュ(イ・ギウ)と着ぐるみを着てアルバイトをしている耳の聞こえない少女のスウン(シン・ミナ)、恋人に愛想を尽かしたスッキョン(ソン・テヨン)と「別れさせ屋」を始めることにしたハソク(チャ・テヒョン)、癌に侵されたジュヨン(ヨム・ジョンア)とその幼い息子のフィチャン(ヨ・ジング) ― 4組の男女の別離を美しく描いた物語。
「4組の男女」のうちの1組は親子。直訳すれば「悲しい物語」というタイトルがつけられているだけあって、悲しい結果に終わると最初からわかっている4種の愛の物語が展開される。四つのストーリィといってもオムニバス形式ではなくて、主要登場人物たちは他エピソードのキャラクターともなんらかの関係でリンクしており、始めは個々に語られていたかに見える4種の物語が、最終的にはひとつの物語としてエンド・ロールを迎えるという、丁寧で凝った、それでいて理解もしやすいつくりになっている。構成に対しては「巧いなぁ」と純粋に感心できる作品だった。役者さんたちの演技も上手。
ただ、物語にどうも重みが足らない。感動的な要素を充分に備えた素材ばかりではあるのだけれど、いくら最終的に1本の話になるとはいえ、四つのストーリィが同時進行されているようなものだから、それぞれのハート・ウォーミング・エピソードのうわべだけが「いいとこ取り」で語られてしまうわけだ。その結果、「世の中、こんなに『いい人』ばっかりじゃないだろうよ」と思わず皮肉に吐息をつきたくなるような、「現実味の薄い、綺麗なだけのダイジェスト的映像」ができあがったように思う。毒気は皆無で、心理描写の深みもあまりない。そのせいで、私にはまったく説得力が伝わってこなかった。きらきらと美しい物語も、それはそれで魅力的ではあるし、作品によっては好きでもあるけれど、愛を意識した人間特有の毒気を微量でも感じさせてくれたり、心理描写の深みをもう少し見せてくれたりしていたら、私はこの作品とその登場人物にもっと感情移入できただろうな、と思う。
あと、これは作品そのものの責任ではないのだけれど、この映画の予告編、クライマックスの重要なシーンを使いすぎている。私はこの作品の予告編を他の試写会場等でたまたま観る機会が多かったのだが(多分、最低でも3回は観た)、予告そのものが最大のネタバレになっていると言ってもよいくらい、主要エピソードのラストが「具体的に」わかってしまう。なぜなら、最も涙腺決壊ポイントとなりそうな感動クライマックス・シーンを、惜しげもなく使用しすぎてしまっているから。迷惑きわまりない、ネタバレの大サービスだ。いくらありきたりなストーリィの映画だとはいえ、予告で結末をダイレクトに教えてくれちゃうことはないだろうよ。そのためだけというわけではないけれど、本編を観ても私はまったく泣けなかった。まあ、この予告編を観ていなかったとしても、泣きはしなかったような気はするが。
消防士の恋人を演じたイム・スジョン。透明感のある女優さんで、今回ももちろん素敵だった。彼女が主演した『アメノナカノ青空』という恋愛映画が、私は大好き。こちらの作品もまた、直球でありがちな内容のラヴ・ストーリィではあるのだけれど、私にとっては、「展開や泣かせどころが読めてしまっても、『やられた!』と思いながら涙ぼろぼろになっちゃった映画」のひとつ。爽やかで切ない青春恋愛ムービーがお好きなかたには、ぜひご覧になっていただきたいな。
試写日:2006年10月20日(金)@東京厚生年金会館
関連商品

『Sad Movie/サッド・ムービー』
原題:"SAD MOVIE"
参考:Sad Movie サッド・ムービー@映画生活 Sad Movie サッド・ムービー-シネマトゥデイ
2005年・韓国・109分
監督:クォン・ジョングァン
製作:パク・ソンフン
脚本:ファン・ソング
編集:キム・サンボム
音楽:ジョ・ドンイク
出演:チョン・ウソン イム・スジョン シン・ミナ イ・ギウ
チャ・テヒョン ヨム・ジョンア ソン・テヨン ヨ・ジング 他
消防士のジム(チョン・ウソン)と彼の恋人のスジョン(イム・スジョン)、遊園地へ絵を描きに行ったサンギュ(イ・ギウ)と着ぐるみを着てアルバイトをしている耳の聞こえない少女のスウン(シン・ミナ)、恋人に愛想を尽かしたスッキョン(ソン・テヨン)と「別れさせ屋」を始めることにしたハソク(チャ・テヒョン)、癌に侵されたジュヨン(ヨム・ジョンア)とその幼い息子のフィチャン(ヨ・ジング) ― 4組の男女の別離を美しく描いた物語。
「4組の男女」のうちの1組は親子。直訳すれば「悲しい物語」というタイトルがつけられているだけあって、悲しい結果に終わると最初からわかっている4種の愛の物語が展開される。四つのストーリィといってもオムニバス形式ではなくて、主要登場人物たちは他エピソードのキャラクターともなんらかの関係でリンクしており、始めは個々に語られていたかに見える4種の物語が、最終的にはひとつの物語としてエンド・ロールを迎えるという、丁寧で凝った、それでいて理解もしやすいつくりになっている。構成に対しては「巧いなぁ」と純粋に感心できる作品だった。役者さんたちの演技も上手。
ただ、物語にどうも重みが足らない。感動的な要素を充分に備えた素材ばかりではあるのだけれど、いくら最終的に1本の話になるとはいえ、四つのストーリィが同時進行されているようなものだから、それぞれのハート・ウォーミング・エピソードのうわべだけが「いいとこ取り」で語られてしまうわけだ。その結果、「世の中、こんなに『いい人』ばっかりじゃないだろうよ」と思わず皮肉に吐息をつきたくなるような、「現実味の薄い、綺麗なだけのダイジェスト的映像」ができあがったように思う。毒気は皆無で、心理描写の深みもあまりない。そのせいで、私にはまったく説得力が伝わってこなかった。きらきらと美しい物語も、それはそれで魅力的ではあるし、作品によっては好きでもあるけれど、愛を意識した人間特有の毒気を微量でも感じさせてくれたり、心理描写の深みをもう少し見せてくれたりしていたら、私はこの作品とその登場人物にもっと感情移入できただろうな、と思う。
あと、これは作品そのものの責任ではないのだけれど、この映画の予告編、クライマックスの重要なシーンを使いすぎている。私はこの作品の予告編を他の試写会場等でたまたま観る機会が多かったのだが(多分、最低でも3回は観た)、予告そのものが最大のネタバレになっていると言ってもよいくらい、主要エピソードのラストが「具体的に」わかってしまう。なぜなら、最も涙腺決壊ポイントとなりそうな感動クライマックス・シーンを、惜しげもなく使用しすぎてしまっているから。迷惑きわまりない、ネタバレの大サービスだ。いくらありきたりなストーリィの映画だとはいえ、予告で結末をダイレクトに教えてくれちゃうことはないだろうよ。そのためだけというわけではないけれど、本編を観ても私はまったく泣けなかった。まあ、この予告編を観ていなかったとしても、泣きはしなかったような気はするが。
消防士の恋人を演じたイム・スジョン。透明感のある女優さんで、今回ももちろん素敵だった。彼女が主演した『アメノナカノ青空』という恋愛映画が、私は大好き。こちらの作品もまた、直球でありがちな内容のラヴ・ストーリィではあるのだけれど、私にとっては、「展開や泣かせどころが読めてしまっても、『やられた!』と思いながら涙ぼろぼろになっちゃった映画」のひとつ。爽やかで切ない青春恋愛ムービーがお好きなかたには、ぜひご覧になっていただきたいな。
試写日:2006年10月20日(金)@東京厚生年金会館
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2006/10/21 14:52 同人誌通販関連等、連絡事項です。
2006年10月18日までに同人誌通販のお支払いをしてくださったかたへの同人誌の発送を総て完了致しました。10月28日になっても本が届かない場合は、お手数ですが、香ん乃までメールにてご連絡ください。今回、都合により、お申し込みくださったかたがたへ個別に「発送連絡メール」をお送りすることができなかったので、この告知でその代わりとさせていただきました。申し訳ございませんが、よろしくお願い致します。お申し込み、本当にありがとうございました。
ネカフェやお昼休みの職場からブログをいじることはなんとかできるのですが、いつも更新で時間がいっぱいいっぱいになってしまい、みなさまのブログにゆっくりお邪魔してコメントさせていただくことがなかなかできなかったり、メールやお問い合わせのお返事を書かせていただくのに今までに以上にお日にちを頂戴してしまったりで、残念で淋しくて申し訳ない気持ちでいっぱいです……。PCがいつ修理から帰ってくるのかはまだわからないのですが、自分のライフラインのひとつなので、ないと本当きっついですね(泣)。
しばらくのあいだ、お見苦しい状態をさらしている上に、いろいろと失礼で申し訳ありませんが、引き続きよろしくお願い致します……。
ネカフェやお昼休みの職場からブログをいじることはなんとかできるのですが、いつも更新で時間がいっぱいいっぱいになってしまい、みなさまのブログにゆっくりお邪魔してコメントさせていただくことがなかなかできなかったり、メールやお問い合わせのお返事を書かせていただくのに今までに以上にお日にちを頂戴してしまったりで、残念で淋しくて申し訳ない気持ちでいっぱいです……。PCがいつ修理から帰ってくるのかはまだわからないのですが、自分のライフラインのひとつなので、ないと本当きっついですね(泣)。
しばらくのあいだ、お見苦しい状態をさらしている上に、いろいろと失礼で申し訳ありませんが、引き続きよろしくお願い致します……。
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