ごはんの支度をしながら、気の合う映画を想うのが好き。字書き屋・香ん乃がお贈りする、インフォメーション・シネマ感想文・雑記など。
2006/08/18 03:12 『グエムル/漢江の怪物』を観たよ。
ああ、もしかしたら大傑作なのかもしれない。
『グエムル/漢江の怪物』
英題:"THE HOST"
参考:グエムル 漢江の怪物@映画生活 グエムル―漢江の怪物―-シネマトゥデイ
2006年・韓国・120分
監督・原案・脚本:ポン・ジュノ
製作・製作総指揮:チョ・ヨンベ
製作総指揮:ジョン・テソン キム・ウテク
脚本:パク・チョルヒョン ハ・ジョンウォン
撮影:キム・ヒョング
音楽:イ・ビョンウ
VFXスーパーバイザー:ケヴィン・ラファティ
出演:ソン・ガンホ ピョン・ヒボン ペ・ドゥナ
コ・アソン パク・ヘイル イ・ドンホ 他
ソウルを流れる漢江という河のほとりで売店を営む一家があった。13年前に嫁に逃げられた怠け者のカンドゥ(ソン・ガンホ)、その娘でしっかり者のヒョンソ(コ・アソン)、カンドゥの弟で大卒のインテリだがふらふらしているナミル(パク・ヘイル)、カンドゥの妹でプレッシャーに弱いアーチェリー選手のナムジュ(ペ・ドゥナ)、そして、カンドゥたちの父親であるヒボン(ピョン・ヒボン)の5人家族である。ある日、漢江から凶暴で巨大な生物が現れる。かつて誰も見たことがないその謎の怪物は、一瞬にしてヒョンソを連れ去った。彼女を助けたいと願う一家は、軍や警察の協力すら得られないままヒョンソの救出へ向かうが……。
つっこみどころがないわけではないのだ。それどころか、ありすぎるほどたくさんある。「その判断と展開は安直すぎやしないか?」と呆気に取られる部分が目立つとか、あれほど◇◇になっても携帯電話が完全にイカれないのはおかしいとか、あんな○○を浴びたり、そんな××に遭ったりしているのに、人間はなぜ生きていられるのかとか、まあ、いろいろと。……ネタバレを避けるために記号を使ったら、わけがわからなくなってしまったな。ごめんなさい。
しかし、そういった不条理や矛盾なんて、もうどうでもよくなってしまうくらいの、壮絶な勢いと熱さと新鮮さを、この映画は備えている。
怪物が人間を襲うパニック・アクションというジャンルは、決して目新しいものではない。だが、その手の映画から連想する「お約束」の数々を、この作品はことごとく裏切るのだ。ある意味、容赦と救いようがまったくない。皆無。とはいえ、だからといって、余韻が悪かったり爽快感がなかったりするわけでもない。正直なところ、なぜおもしろかったのかを具体的に説明することができないのだが、自分が今までに観たことのなかったパニック・ムービーであったのは確かである(ただ、私はこのジャンルの映画にあまり詳しくないので、なにを観ても新鮮に映りかねないということは否定できないが)。
怪物に命がけで立ち向かうのが、肉体派のヒーローでも、スペシャリストの集うチームでもなく、「ろくでなし揃いのだめだめ一家」であるという設定が、個人的には最高に思えた。とことん格好よくない彼らの体を張った「地味な」アクションがすっかりツボで、爆笑の直後に手に汗握ったりと、観ている自分まで滑稽に忙しくなってしまった。ただ、大きなスクリーンとステレオの利いた音響設備が整った場所で観たからこそ、臨場感を素直に楽しめたのもあると思う。「主役」でもあるケミカルな怪物・グエムルの視覚的印象や、タイミングの妙と演出に長けた音の使いかたは、自宅の小さなテレビなどではまったく堪能できそうにないどころか、陳腐に感じてしまう可能性が高いと思われるからだ。
『春の日のクマは好きですか?』で愛くるしいコミカルな少女役だったペ・ドゥナが、強烈な眼力を宿す凛々しいアーチェリー選手を演じていたことに、とても驚いてしまった。かわいいだけではない「おとなの女性」のペ・ドゥナ、また観たい女優さんだ、と素直に感じた。
ところで……、『機動警察パトレイバー』の元同人屋としては、やはり瞬時に思い出さないわけにはいかなかった。……ゆうきまさみ先生のコミック版「廃棄物13号」シリーズを。
試写日:2006年8月17日(木)@中野サンプラザ

『グエムル/漢江の怪物』
英題:"THE HOST"
参考:グエムル 漢江の怪物@映画生活 グエムル―漢江の怪物―-シネマトゥデイ
2006年・韓国・120分
監督・原案・脚本:ポン・ジュノ
製作・製作総指揮:チョ・ヨンベ
製作総指揮:ジョン・テソン キム・ウテク
脚本:パク・チョルヒョン ハ・ジョンウォン
撮影:キム・ヒョング
音楽:イ・ビョンウ
VFXスーパーバイザー:ケヴィン・ラファティ
出演:ソン・ガンホ ピョン・ヒボン ペ・ドゥナ
コ・アソン パク・ヘイル イ・ドンホ 他
ソウルを流れる漢江という河のほとりで売店を営む一家があった。13年前に嫁に逃げられた怠け者のカンドゥ(ソン・ガンホ)、その娘でしっかり者のヒョンソ(コ・アソン)、カンドゥの弟で大卒のインテリだがふらふらしているナミル(パク・ヘイル)、カンドゥの妹でプレッシャーに弱いアーチェリー選手のナムジュ(ペ・ドゥナ)、そして、カンドゥたちの父親であるヒボン(ピョン・ヒボン)の5人家族である。ある日、漢江から凶暴で巨大な生物が現れる。かつて誰も見たことがないその謎の怪物は、一瞬にしてヒョンソを連れ去った。彼女を助けたいと願う一家は、軍や警察の協力すら得られないままヒョンソの救出へ向かうが……。
つっこみどころがないわけではないのだ。それどころか、ありすぎるほどたくさんある。「その判断と展開は安直すぎやしないか?」と呆気に取られる部分が目立つとか、あれほど◇◇になっても携帯電話が完全にイカれないのはおかしいとか、あんな○○を浴びたり、そんな××に遭ったりしているのに、人間はなぜ生きていられるのかとか、まあ、いろいろと。……ネタバレを避けるために記号を使ったら、わけがわからなくなってしまったな。ごめんなさい。
しかし、そういった不条理や矛盾なんて、もうどうでもよくなってしまうくらいの、壮絶な勢いと熱さと新鮮さを、この映画は備えている。
怪物が人間を襲うパニック・アクションというジャンルは、決して目新しいものではない。だが、その手の映画から連想する「お約束」の数々を、この作品はことごとく裏切るのだ。ある意味、容赦と救いようがまったくない。皆無。とはいえ、だからといって、余韻が悪かったり爽快感がなかったりするわけでもない。正直なところ、なぜおもしろかったのかを具体的に説明することができないのだが、自分が今までに観たことのなかったパニック・ムービーであったのは確かである(ただ、私はこのジャンルの映画にあまり詳しくないので、なにを観ても新鮮に映りかねないということは否定できないが)。
怪物に命がけで立ち向かうのが、肉体派のヒーローでも、スペシャリストの集うチームでもなく、「ろくでなし揃いのだめだめ一家」であるという設定が、個人的には最高に思えた。とことん格好よくない彼らの体を張った「地味な」アクションがすっかりツボで、爆笑の直後に手に汗握ったりと、観ている自分まで滑稽に忙しくなってしまった。ただ、大きなスクリーンとステレオの利いた音響設備が整った場所で観たからこそ、臨場感を素直に楽しめたのもあると思う。「主役」でもあるケミカルな怪物・グエムルの視覚的印象や、タイミングの妙と演出に長けた音の使いかたは、自宅の小さなテレビなどではまったく堪能できそうにないどころか、陳腐に感じてしまう可能性が高いと思われるからだ。
『春の日のクマは好きですか?』で愛くるしいコミカルな少女役だったペ・ドゥナが、強烈な眼力を宿す凛々しいアーチェリー選手を演じていたことに、とても驚いてしまった。かわいいだけではない「おとなの女性」のペ・ドゥナ、また観たい女優さんだ、と素直に感じた。
ところで……、『機動警察パトレイバー』の元同人屋としては、やはり瞬時に思い出さないわけにはいかなかった。……ゆうきまさみ先生のコミック版「廃棄物13号」シリーズを。
試写日:2006年8月17日(木)@中野サンプラザ

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