ごはんの支度をしながら、気の合う映画を想うのが好き。字書き屋・香ん乃がお贈りする、インフォメーション・シネマ感想文・雑記など。 
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ほんとうは、香ん乃は
ニューヨークのマンハッタン信託銀行に侵入した『のグループが、大勢の人質と共に立てこもった。
とか言ってた?

*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「毬子さん」が書きました。
「お上品」なクライム・ムービー。

『インサイド・マン』
原題:"INSIDE MAN"
参考:インサイド・マン@映画生活 インサイド・マン-FLiXムービーサイト
2006年・アメリカ・128分
監督:スパイク・リー
製作:ブライアン・グレイザー
製作総指揮:ダニエル・M・ローゼンバーグ
脚本・編集:アダム・エルバッカー
脚本:ラッセル・ゲワーツ
撮影:マシュー・リバティーク
編集:バリー・アレクサンダー・ブラウン 
音楽:テレンス・ブランチャード
出演:デンゼル・ワシントン クライヴ・オーウェン
   ジョディ・フォスター ウィレム・デフォー 他

 ニューヨークのマンハッタン信託銀行に侵入した強盗のグループが、大勢の人質と共に立てこもった。この事件の指揮を執るのは、ニューヨーク市警のフレイジャー(デンゼル・ワシントン)。彼は強盗グループのリーダー・ダルトン(クライヴ・オーウェン)と直接交渉するが、事態は進展を見せぬまま時間ばかりが過ぎていく。一方、マンハッタン信託銀行の会長・ケイス(クリストファー・プラマー)は、強盗に侵入されたことをきっかけに自分のある秘密が明るみになることを恐れ、弁護士のマデリン(ジョディ・フォスター)に強盗グループとの交渉を依頼して……。

 NYPDのパトカーがマンハッタンを走りめぐったり、ニューヨークの有名なストリートがシャープな映像で映し出されたりするだけで、私的には無意味に興奮。デンゼル・ワシントンは思わず唸ってしまうほど格好よいし、クライヴ・オーウェンの深い瞳はいつ見てもぞくぞくしちゃう澄んだ格好よさだし、ウィレム・デフォーもあの「一度見たら忘れられない系の顔」(すごく好き)が相変わらず格好よいし、なにより誰より、敏腕弁護士を演じたジョディ・フォスターがめちゃめちゃ格好よいったらないし。こういうクール系のジョディを観たのって、久しぶりのような気がする。彼女が演じた弁護士のマデリンは、自分の力量がどれだけ多額の金銭に値するかを、冷静に、かつ、したたかに把握している、どこか食えない人物。弁護士は弁護士でも、善人や正義漢では必ずしもないから、最近のジョディには珍しい役だな、と余計に思った。登場シーンは少ないけれど、インパクトのある役柄。ストレートのブロンドをきちっとシンプルにまとめて、高級そうなスーツを締まった体でかっちりと着こなしたジョディは、成功したニューヨーカーのサンプルそのもので、何度も言ってしまうけれど、本当、格好よいこと、この上なかったのだ。

 とはいえ、このマデリン役、別にジョディ・フォスターでなくてもよかったように思う。乱暴な言いかたになってしまうけれど、知的で鋭利で落ち着いた雰囲気をまとえる女優なら、誰でも相応に格好よく映ったんじゃないかな。もちろん、ジョディを使ったからこそ、この作品により箔がついた、とはいえるけれども。

 カメラ・ワークや編集の仕方がとても粋。また、オープニングやエンド・ロールも、細部に至るまでスタイリッシュ。テクニカルで洒落た映像の中を、豪華な出演者陣が巧くて当然の演技で動きまわるわけだから、視覚的には大いに美味しい。

 ただ、サスペンスの核でもある肝心のストーリィが、なんとも尻すぼまりなのである。「あんなに話を盛り上げておいて、こんなに甘い落ちなの?」って、ぽかんと口があいてしまう感じ。辻褄が合っていないとか、筋を理解するのが難しいとか、そういう意味ではない。敷かれた伏線の説明はきちんとついているし、混乱に陥ることなく展開をつかめる親切さもある。加えて、考えようによっては爽快感のあるラストと言えるのだけれど、私にはもの足りなかったし、クライム・ムービーにしてはスウィートな方面へ走りすぎているような味わいが強かった。決してつまらなくはなく、さまざまな面で見応えもあるのだけれど、「傑作になりえたかもしれない要素」がたくさん備わっているだけに、クライマックスからラストにかけての甘さは、本当、もったいなかったなぁ。

 ところで、私、スパイク・リー監督の作品って、今回の『インサイド・マン』のほかには『マルコムX』しか観たことがないような気がする。ニューヨークを舞台に映画を撮ることが多い監督と聞いているから、作品をもっと観たい気持ちはあるんだけどもね。

試写日:2006年5月29日(月)@よみうりホール

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