ごはんの支度をしながら、気の合う映画を想うのが好き。字書き屋・香ん乃がお贈りする、インフォメーション・シネマ感想文・雑記など。
2006/05/05 23:50 『恋は五・七・五!』を観たよ。
もうちょっと真面目に俳句やってくれてもよかったかも。
『恋は五・七・五!』
参考:恋は五・七・五!@映画生活 恋は五・七・五!-FLiXムービーサイト
2004年・日本・105分
監督・脚本:荻上直子
製作:二宮清隆 李鳳宇 他
プロデューサー:林哲次 田辺隆史
撮影:柴崎幸三
音楽:井手博子
出演:関めぐみ 小林きな子 蓮沼茜
橋爪遼 杉本哲太 もたいまさこ 他
松尾高校の2年生・治子(関めぐみ)は、帰国子女のため、学校になじめない。担任に勧められて出来立ての俳句部に入部したはよいものの、部員も顧問もいまいちぱっとしない面々だった。「俳句なんてダサい」と思いつつも、俳句甲子園を目指さざるをえなくなった治子だが……。
『かもめ食堂』を映画館へ観に行く前に、DVDで観たのがこの作品なのだが、そのときは『かもめ食堂』と『恋は五・七・五!』の監督が同じ人だなんて、全然知らなかった……。
『恋は五・七・五!』を知ったのは、忘れもしない、『劇場版テニスの王子様/二人のサムライ The First Game』(シネプリじゃなくて、アニメのほうね。ほら、手塚が試合中に恐竜出しちゃったりするやつ……)を映画館へ観にいったときに、予告編を観たからだった。「俳句甲子園を目指す高校生の話!? おもしろそう! 私、好きそう!!」と、妙に興奮してしまったのだ。でも、ロードショー中は結局観に行けなくて、おまけにしばらく忘れていて、先日、レンタル店をうろついていたときにたまたま見つけ、「あ!」と気づいて借りてきたのだった。
結論から言うと、あんまりおもしろくなかった。残念無念。
テンポが悪くて、編集と構成が下手。素材は決して悪くないから、すごくもったいない。俳句部の部員たちは、漫画ちっくなありえないキャラクターばかりなんだけど、青春コメディにはとてもふさわしくて合っていたし、バランスもよかった。美少女や美少年や不思議ちゃんが、俳句っていう地味でマニアックなジャンルに真剣に打ち込むっていう設定も、ものすごく興味深い(私には)。まるでスポ根青春モノみたいな爽快感もあるし、制服の似合う高校生たちに清潔感もあるし、彼女たちが繰り広げるありがちでわかりやすい恋模様も、まあまあ可愛くてよかった。
だけど、唐突な起承転結と、ぶちぶち切れがちなシーン展開に、観ていた私はどうしてもテンポを崩された。集中力が続かなかった。中だるみも覚えた。ああ、つくづくもったいない。
観た日:2006年4月1日(土)@自宅にてDVD
『恋は五・七・五!』
参考:恋は五・七・五!@映画生活 恋は五・七・五!-FLiXムービーサイト
2004年・日本・105分
監督・脚本:荻上直子
製作:二宮清隆 李鳳宇 他
プロデューサー:林哲次 田辺隆史
撮影:柴崎幸三
音楽:井手博子
出演:関めぐみ 小林きな子 蓮沼茜
橋爪遼 杉本哲太 もたいまさこ 他
松尾高校の2年生・治子(関めぐみ)は、帰国子女のため、学校になじめない。担任に勧められて出来立ての俳句部に入部したはよいものの、部員も顧問もいまいちぱっとしない面々だった。「俳句なんてダサい」と思いつつも、俳句甲子園を目指さざるをえなくなった治子だが……。
『かもめ食堂』を映画館へ観に行く前に、DVDで観たのがこの作品なのだが、そのときは『かもめ食堂』と『恋は五・七・五!』の監督が同じ人だなんて、全然知らなかった……。
『恋は五・七・五!』を知ったのは、忘れもしない、『劇場版テニスの王子様/二人のサムライ The First Game』(シネプリじゃなくて、アニメのほうね。ほら、手塚が試合中に恐竜出しちゃったりするやつ……)を映画館へ観にいったときに、予告編を観たからだった。「俳句甲子園を目指す高校生の話!? おもしろそう! 私、好きそう!!」と、妙に興奮してしまったのだ。でも、ロードショー中は結局観に行けなくて、おまけにしばらく忘れていて、先日、レンタル店をうろついていたときにたまたま見つけ、「あ!」と気づいて借りてきたのだった。
結論から言うと、あんまりおもしろくなかった。残念無念。
テンポが悪くて、編集と構成が下手。素材は決して悪くないから、すごくもったいない。俳句部の部員たちは、漫画ちっくなありえないキャラクターばかりなんだけど、青春コメディにはとてもふさわしくて合っていたし、バランスもよかった。美少女や美少年や不思議ちゃんが、俳句っていう地味でマニアックなジャンルに真剣に打ち込むっていう設定も、ものすごく興味深い(私には)。まるでスポ根青春モノみたいな爽快感もあるし、制服の似合う高校生たちに清潔感もあるし、彼女たちが繰り広げるありがちでわかりやすい恋模様も、まあまあ可愛くてよかった。
だけど、唐突な起承転結と、ぶちぶち切れがちなシーン展開に、観ていた私はどうしてもテンポを崩された。集中力が続かなかった。中だるみも覚えた。ああ、つくづくもったいない。
観た日:2006年4月1日(土)@自宅にてDVD
2006/05/05 22:45 『君はまだ、無名だった。』を観たよ。
粗だらけなのに、忘れられない。
『君はまだ、無名だった。』
参考:君はまだ、無名だった。@映画生活 君はまだ、無名だった。-FLiXムービーサイト
2005年・日本・96分
監督・原案:葉山陽一郎
製作:永森裕二 大山敏 他
プロデューサー:前田茂司 狩野善則
脚本:平見瞠
撮影:中尾正人
音楽:平見文生
助監督:佃謙介
出演:椿隆之 萩原流行 宮澤美保
阪田瑞穂 鶴田さやか 原日出子 他
プロの作曲家として成功している和実(椿隆之)のもとに、母親(鶴田さやか)から連絡がはいった。和実の高校時代の恩師・橘(萩原流行)が亡くなった、というのだ。彼の葬儀に参列するため、和実は故郷の湘南へ向かうが、道中、音楽に夢中になっていた高校生当時を回想して……。
公開前から、詩的なタイトルが印象に残っていた作品だった。小さな映画館でのレイト・ショー上映だったけれど、観に行ってつくづくよかったなぁ、と思っている。この作品を撮る前の葉山監督は、ホラー映画やエロティックなオリジナル・ビデオを手がけていたようだけれど、今後またこういったドラマ的作品を撮ることがあるとしたら、ぜひ観てみたい。本当に観たい。
「ノスタルジィ」という単語をつい連想してしまう、昔ながらのゆったりとした青春物語だ。正直なところ、相当荒削りで、欠点も目立つ。たとえば、主人公の和実と、宮澤美保演じるのり子という女との関係など、出逢い・経過・結末のどこを取っても、「性急すぎるだろう。その台詞はないだろう」と呆れてしまったし、音大志望にしては和実のピアノの練習方法・内容は甘すぎる。ほかにも、「え? ちょっと待って」と言いたくなってしまう些細な違和感は多々ある。
それでも、この映画の温度と匂い、情感、雰囲気、そのすべてが、私は好きだ。若さゆえの青さや不器用さ、直情さ、そういったものが素直に、まっすぐに、飾らずに描かれていて、登場人物たちもストーリィも、愛しくて抱きしめたくなる。他者には勧めないけれど、私は好きなのだ。映画館を出たあと、夢にあふれていた自分の10代の頃を反芻する一方、おとなになった現在、当時の夢とどのようなつきあいかたをしているかに考えを馳せたりして、苦くも温かいような、複雑な気分になった。
この作品で初めて知った女優の宮澤美保さん。どうしようかと思うくらい可愛かった。大きな瞳、真っ白な肌、儚げなたたずまい。どこもかしこも私好みの女優さんすぎてしまって、彼女の存在が、この映画に好意的になってしまう大きな理由のひとつだとは認めざるをえない。前述したように、私はこの作品を内容的には他者へ勧められないけれど、この映画の中で動く宮澤さんをたくさんの人に観てほしい、とは思ってしまう。近頃、最も心を打たれた「美しい人」だった。
観た日:2006年4月10日(月)@池袋シネマ・ロサ
『君はまだ、無名だった。』
参考:君はまだ、無名だった。@映画生活 君はまだ、無名だった。-FLiXムービーサイト
2005年・日本・96分
監督・原案:葉山陽一郎
製作:永森裕二 大山敏 他
プロデューサー:前田茂司 狩野善則
脚本:平見瞠
撮影:中尾正人
音楽:平見文生
助監督:佃謙介
出演:椿隆之 萩原流行 宮澤美保
阪田瑞穂 鶴田さやか 原日出子 他
プロの作曲家として成功している和実(椿隆之)のもとに、母親(鶴田さやか)から連絡がはいった。和実の高校時代の恩師・橘(萩原流行)が亡くなった、というのだ。彼の葬儀に参列するため、和実は故郷の湘南へ向かうが、道中、音楽に夢中になっていた高校生当時を回想して……。
公開前から、詩的なタイトルが印象に残っていた作品だった。小さな映画館でのレイト・ショー上映だったけれど、観に行ってつくづくよかったなぁ、と思っている。この作品を撮る前の葉山監督は、ホラー映画やエロティックなオリジナル・ビデオを手がけていたようだけれど、今後またこういったドラマ的作品を撮ることがあるとしたら、ぜひ観てみたい。本当に観たい。
「ノスタルジィ」という単語をつい連想してしまう、昔ながらのゆったりとした青春物語だ。正直なところ、相当荒削りで、欠点も目立つ。たとえば、主人公の和実と、宮澤美保演じるのり子という女との関係など、出逢い・経過・結末のどこを取っても、「性急すぎるだろう。その台詞はないだろう」と呆れてしまったし、音大志望にしては和実のピアノの練習方法・内容は甘すぎる。ほかにも、「え? ちょっと待って」と言いたくなってしまう些細な違和感は多々ある。
それでも、この映画の温度と匂い、情感、雰囲気、そのすべてが、私は好きだ。若さゆえの青さや不器用さ、直情さ、そういったものが素直に、まっすぐに、飾らずに描かれていて、登場人物たちもストーリィも、愛しくて抱きしめたくなる。他者には勧めないけれど、私は好きなのだ。映画館を出たあと、夢にあふれていた自分の10代の頃を反芻する一方、おとなになった現在、当時の夢とどのようなつきあいかたをしているかに考えを馳せたりして、苦くも温かいような、複雑な気分になった。
この作品で初めて知った女優の宮澤美保さん。どうしようかと思うくらい可愛かった。大きな瞳、真っ白な肌、儚げなたたずまい。どこもかしこも私好みの女優さんすぎてしまって、彼女の存在が、この映画に好意的になってしまう大きな理由のひとつだとは認めざるをえない。前述したように、私はこの作品を内容的には他者へ勧められないけれど、この映画の中で動く宮澤さんをたくさんの人に観てほしい、とは思ってしまう。近頃、最も心を打たれた「美しい人」だった。
観た日:2006年4月10日(月)@池袋シネマ・ロサ
2006/05/05 21:20 『かもめ食堂』を観たよ。
さあ、おうちに帰ってごはんをつくろう。
『かもめ食堂』
参考:かもめ食堂@映画生活 かもめ食堂-FLiXムービーサイト
2005年・日本・102分
監督・脚本:荻上直子
プロデューサー:前川えんま 天野眞弓
エグゼクティブ・プロデューサー:奥田誠治 大島満 他
原作:群ようこ
撮影:トゥオモ・ヴィルタネン
音楽:近藤達郎
出演:小林聡美 片桐はいり もたいまさこ
ヤルッコ・ニエミ マルック・ペルトラ タリア・マルクス 他
日本食中心の食堂をフィンランドのヘルシンキに構えたサチエ(小林聡美)。店の名は「かもめ食堂」と言い、看板メニューはおにぎりだ。しかし、ヘルシンキの人々はなじみのない日本食になかなか寄りつかず、店は閑古鳥が鳴き続ける。ある日、サチエは本屋でミドリ(片桐はいり)という日本人女性に会った。ミドリはサチエの家に泊まることになるが……。
観ているあいだはかなり楽しかったし、あと味もよかった。実際、荻上監督のほかの作品も観てみたいな、とは今でも強く思っている。手応えや感触は、すこぶる心地よかったのだ。
ただ、この映画、リアリティがありそうでない。
現実感の有無は、この作品の長所でも短所でもないし、はっきり言ってしまえば、どうでもよいのだろうとは思うのだが、私にはどうしてもひっかかってしまった。
たとえば、サチエとミドリ、そして、もたいまさこ演じるマサコという、3人のメイン・キャラクターのバック・グラウンドについては、ほとんど言及されないのだけれど、彼女たちがそれぞれなんらかのいわくつきの過去を背負っているのだろうな、ということは、なんとなく伝わってくる。そういった陰のさりげない匂わせかた、かなり巧かった。そして、その手法に惚れた。
しかし、メイン・キャラクターのそういったパーソナリティーとは裏腹に、映画全編に漂う雰囲気に生活感と現実感がない。たとえば、かもめ食堂は閑古鳥が鳴いて久しいのだけれど、客がはいらないその期間、サチエがどうやって生計を立てているのか、かもめ食堂の仕入れや家賃をどうやりくりしているのか、そういったことにはまったく触れられていないのだ。「触れる必要ないんだよ。映画なんだから」というご指摘が聞こえてくるような気がするが、私はこういうポイントが気になってしまうのだからしかたない。で、気になってたまらないあまり、物語に集中できなくなってしまう。キャラクターに共感もできなくなってしまう。
でも、よい映画なのだろうな、とは思う。女性受け限定みたいな感覚ではあるけれど。「のほほん」や「ほんわか」という形容がぴったりの作品。出てくる食べ物はどれをとっても美味しそうだし、ヘルシンキの街並みや風景はキュートだし、かもめ食堂にある小物からサチエのしているエプロンに至るまで、なにからなにまでとことん可愛いったらないし。
『過去のない男』等に主演していたフィンランド人俳優のマルック・ペルトラが贅沢な使われかたで出演しているところなんて、ヨーロッパ映画好きには必見ポイント。
観た日:2006年4月30日(日)@恵比寿ガーデンシネマ
関連商品
『かもめ食堂』
参考:かもめ食堂@映画生活 かもめ食堂-FLiXムービーサイト
2005年・日本・102分
監督・脚本:荻上直子
プロデューサー:前川えんま 天野眞弓
エグゼクティブ・プロデューサー:奥田誠治 大島満 他
原作:群ようこ
撮影:トゥオモ・ヴィルタネン
音楽:近藤達郎
出演:小林聡美 片桐はいり もたいまさこ
ヤルッコ・ニエミ マルック・ペルトラ タリア・マルクス 他
日本食中心の食堂をフィンランドのヘルシンキに構えたサチエ(小林聡美)。店の名は「かもめ食堂」と言い、看板メニューはおにぎりだ。しかし、ヘルシンキの人々はなじみのない日本食になかなか寄りつかず、店は閑古鳥が鳴き続ける。ある日、サチエは本屋でミドリ(片桐はいり)という日本人女性に会った。ミドリはサチエの家に泊まることになるが……。
観ているあいだはかなり楽しかったし、あと味もよかった。実際、荻上監督のほかの作品も観てみたいな、とは今でも強く思っている。手応えや感触は、すこぶる心地よかったのだ。
ただ、この映画、リアリティがありそうでない。
現実感の有無は、この作品の長所でも短所でもないし、はっきり言ってしまえば、どうでもよいのだろうとは思うのだが、私にはどうしてもひっかかってしまった。
たとえば、サチエとミドリ、そして、もたいまさこ演じるマサコという、3人のメイン・キャラクターのバック・グラウンドについては、ほとんど言及されないのだけれど、彼女たちがそれぞれなんらかのいわくつきの過去を背負っているのだろうな、ということは、なんとなく伝わってくる。そういった陰のさりげない匂わせかた、かなり巧かった。そして、その手法に惚れた。
しかし、メイン・キャラクターのそういったパーソナリティーとは裏腹に、映画全編に漂う雰囲気に生活感と現実感がない。たとえば、かもめ食堂は閑古鳥が鳴いて久しいのだけれど、客がはいらないその期間、サチエがどうやって生計を立てているのか、かもめ食堂の仕入れや家賃をどうやりくりしているのか、そういったことにはまったく触れられていないのだ。「触れる必要ないんだよ。映画なんだから」というご指摘が聞こえてくるような気がするが、私はこういうポイントが気になってしまうのだからしかたない。で、気になってたまらないあまり、物語に集中できなくなってしまう。キャラクターに共感もできなくなってしまう。
でも、よい映画なのだろうな、とは思う。女性受け限定みたいな感覚ではあるけれど。「のほほん」や「ほんわか」という形容がぴったりの作品。出てくる食べ物はどれをとっても美味しそうだし、ヘルシンキの街並みや風景はキュートだし、かもめ食堂にある小物からサチエのしているエプロンに至るまで、なにからなにまでとことん可愛いったらないし。
『過去のない男』等に主演していたフィンランド人俳優のマルック・ペルトラが贅沢な使われかたで出演しているところなんて、ヨーロッパ映画好きには必見ポイント。
観た日:2006年4月30日(日)@恵比寿ガーデンシネマ
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