ごはんの支度をしながら、気の合う映画を想うのが好き。字書き屋・香ん乃がお贈りする、インフォメーション・シネマ感想文・雑記など。 
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〔お昼ごはん〕
★ソーセージとミックス・ビーンズのトマト煮込み
★かぼちゃとラム・レーズンのサラダ
★テイク・アウトしてきたフライド・チキン
★野菜のフォカッチャ

〔夜ごはん〕
★蒸した大根&蓮根(お昼の残りのトマト煮込みをかけて)
★枝豆とじゃがいものパン
★インスタントの春雨スープ


 ケンタッキーが一部の店舗限定で黄金チキンというすばらしい名前のチキンを売り出している。早速購入。読みかたは、残念ながら、ゴールデン・チキンではなくゴールド・チキン。惜しい。食べた感想は……、私は一度でいいかなぁ、という感じ。かりかりで美味しいけど、ちょっと巨大なの。

 今日のフォカッチャやパンはシェ・リュイで。ここのスウィーツには特に惹かれないけど(でも、秋になると、スウィート・ポテトは必ず買っちゃう)、パン系は結構好き。

 ソーセージと3種のお豆をたまねぎと一緒に炒めてから、固形ブイヨン、チリ・パウダー、パプリカ・パウダー、ナツメグ、黒胡椒、ホール・トマトの缶詰、ほんの少しの日本酒で煮た。ホール・トマトの代わりにサルサ・ソースで煮ても美味しい、となにかの本で読んだけれど、試してみたいと思いつつ、やってみたことはまだない。

 皮を剥いて蒸したかぼちゃをポテト・マッシャーでつぶして、ほくほく熱いうちに、バター、ラム酒漬けのレーズン、メープル・シロップ、シナモンを加えて混ぜる。お菓子みたいなサラダ。今日はバターとシロップをけちっちゃったから、ちょっとぽろぽろな仕上がり。ナッツを入れるともっと美味しいんだけど、買い置きがなかった。買い置きが切れたといえば、めかぶと納豆。明日、帰りにスーパーへ行かなきゃ。
2006/02/19 02:14    『靴に恋して』を観たよ。
 この邦題はひどく的はずれでむかつく限りだが、……生まれてから今まで観てきた映画の中で、私的ベスト・テンにはいっちゃうかもしれない1本。

『靴に恋して』
原題:"PIEDRAS"
参考:靴に恋して@映画生活
2002年・スペイン・135分
監督・脚本:ラモン・サラサール
製作:フランシスコ・ラモス
撮影:ダビッド・カレテロ
音楽:パスカル・ゲーニュ
出演:アントニア・サン・フアン ナイワ・ニムリ
   アンヘラ・モリーナ ヴィッキー・ペニャ
   モニカ・セルヴェラ エンリケ・アルキデス 他

 昼は靴屋の店員で、夜はダンサーをしているレイレ(ナイワ・ニムリ)は、同棲中の恋人と、どうもうまくいかなくなってきた。売春宿でママをしているアデラ(アントニア・サン・フアン)は、知的障害者の25歳の娘・アニータ(モニカ・セルヴェラ)とふたり暮らし。そのアニータは、新しくやってきた看護士のホアキン(エンリケ・アルキデス)に、生まれて初めての恋をした。タクシー・ドライヴァーのマリカルメン(ヴィッキー・ペニャ)には、娘がふたりと息子がひとりいるけれど、実の子供たちではない。「セレブ」を地でいく生活をしているかに見えるイザベル(アンヘラ・モリーナ)だが、夫に相手にされない孤独を隠すことと紛らわすことに懸命だった。そんな5人の女たちの日常とそれぞれの変化を綴った群像劇。

 5人の主人公が履いている靴とそのイメージが効果的に使用されてはいるけれど、「靴フェチ」とか「靴へのこだわり」とかがテーマになっているわけではまったくない。まるで靴マニアの人物たちが登場するかのように見えてしまうこの邦題と宣伝内容には、甚だ遺憾。たかがこれくらいのことに憤りすら感じてしまうのは、この映画に心底絆されてしまったからにほかならない。

 だからといって、「どこがよかったの?」と訊かれては答えに窮してしまうし、お勧めポイントを立て続けにあげることもできないのだ。ただただ胸に染み入ってきた。ただただすんなりと共感に包まれた。映画を観る際に、私が最もとらわれてしまいやすい「リアリティ」、その度合いと温度が、これ以上にないくらい自分の感覚に合っていたのだろうと思う。

 5人の女たちの心に共通して横たわっているのが、慢性的かつ普遍的な「孤独感」。たとえ生活や友愛に困っていなくても、人の内側には、しぶとい汚れや直せないひびのごとく淋しさがへばりついているものなのかもしれない。それでも、幸福でないというわけではない。笑うことを忘れてしまったわけでもない。あくまでも普通に生きているだけで、日々の暮らしには何らかの疲れや避けられない苦しさ、加えて、寂寥感が必ずあって、それらとどうにかして折り合いをつけなくてはならないのに、どうにも対処ができなくなってしまう。誰にでもあること、誰もがあたりまえのように向き合わざるをえないこと、日常のそういった些事や小さくも深刻な事件、そして、それらに付随する生々しくも静かでくたびれた感情たちを、スペインはマドリッドの優しい街並みの中、5人の主人公がゆるやかにもひっそりと熱く表出していく。

 アデルとアニータの親子は別として、一見つながりがなさそうな主人公たち。しかし、物語が進むにつれて、彼女たちの関係が、ごく自然に、かつ驚きの要素も内包してリンクされていく。風景は純粋に美しく、カメラの動きにぬくもりすら見える。客観的に巧い映画なのかどうかを判断したくはない。……いや、正直なところ、わかっているのだ。派手さや起伏に乏しいこういった作品は、多くの人に支持されはしないのだろう、と。だが、この雰囲気とこの物語、私は無条件に愛した。

 5人の主人公の中で、最も感情移入してしまったのはレイレ。最も印象に残った役者も、レイレを演じたナイワ・ニムリ。この人は『アナとオットー』に主演した女優。あの作品も、私にとって心の宝石となってくれている映画である。

観た日:2005年・冬の某日@自宅にてDVD